構成三原則 五態
構成三原則の第二は「五態」で、文字通り五通りに限定された"態"を成立させ、これを作品構成上の基本的な「様式」としています。
- 直立態――主格が直立している
傾斜態――主格が傾斜している
下垂態――主格が下垂している
平面態――主格が極く低い
複合態――主格が複数となる - この分類は、花芸と言う植物を素材とした造形上の表現を、立体的な価値構造として類型化したもので、決して机上のデザインではありません。 花芸は植物の生命の造形−−自然界における形態や生態の根本的な在り方に立脚し、立ち戻ろうとする作家の良心の結晶が、立体的な構成としての完成を目指したものです。何故に型と呼ばずに態と規定したのは、型という文字が固定的な形式を意味しがちになるのを避け、態と言う文字に自由な展開への可能性を秘めたからです。作品構成上の基本的な「構成」と理解します。
下図と作品は、五態の基本となる構成を示したものです。その特質は
・直立態 ―― 真っすぐなので厳粛な雰囲気や素朴で若々しい印象
・傾斜態 ―― 傾斜させる事によって動きが生まれ伸びやかな印象
・下垂態 ―― 先端の力が下に流れ控えめな或いは流動的な印象
・平面態 ―― 地表近くに身を置くような心静まる安らかな印象
・複合態 ―― 二つ或いは三つの態が組み合わさるので交響曲のような印象
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